ビットコインは危険なのか?
2016年8月、香港のビットコイン取引所「Bitfinex」で、12万BTC(約80億円)のビットコインが盗難に遭う事件がありました。
ビットコインのシステムそのものが破壊された事件ではありませんでしたが、一歩間違えれば取引所経由の仮想通貨でも流出してしまう危険をはらむことが証明されたのです。
また、ビットコインは1ブロックの容量上限を1メガバイトと決めており、10分間で数千件の処理が限界のため、今後の取引拡大によっては、取引量が処理能力を超える予想もたてられています。
一方、世界第2位の流通量を誇る「イーサリアム」では、2016年6月イーサリアム上で流通する仮想通貨「Ether」を通じて100億円以上相当の資金を集めた事業投資ファンド「The DAO」による流出事件が起こっています。
これは、コードの脆弱性を攻撃されたことで、集めた仮想通貨の約3分の1が流出してしまったという事件でした。
この事件の後、イーサリアム提唱者のヴィタリック・ブテリンが、流出した通貨を「The DAO」に払い戻すため後方互換性がないソフトウェア更新を全部のハードに求める「ハードフォーク」を提案し、コミュニティの賛同を得て2016年7月ハードフォークを完了。
しかし、ハードフォーク前の旧イーサリアム(イーサリアムクラシック)の売買を行う取引所が登場し取引が始まってしまったので、現在イーサリアムは2種類あります。
(参考文献:この一冊でまるごとわかるブロックチェーン&ビットコイン/日経BPムック,2016)